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漫画「ペリリュー−楽園のゲルニカ−」を読んで①

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武田一義さんの漫画「ペリリュー−楽園のゲルニカ−」を読んだ。私は1〜6巻まで、寝る前に読んでしまい、眠れなくなった。読んだのは2日前だけど、未だに感情を揺さぶられている。

舞台は昭和19年、太平洋戦争末期のパラオ諸島南部にある島、ペリリュー島。主人公は漫画家志望の田丸一等兵。ちょっぴり気弱でお人好しな、どこにでもいそうな若者。

 

✳︎以下、内容に関する記述があります。

 

 

 

 

 

ペリリュー島には約1万人の日本兵が配置され、与えられた作戦は「徹底持久」。平たく言うと、「できるだけたくさん敵兵を殺して死んでくれ」というもの。

本部の一番偉い大佐のセリフ「戦いが始まれば兵は減る、現在1万人での備蓄の計算など無意味と思え」から、1人でも多くの生存者を残そう、なんて考えは見えない。

 

・1巻の中盤から本格的にアメリカ兵との戦闘が始まる。とてもじゃないけど対等とは思えない。明らかに兵の数は足りないし、劣勢間違いなし。なんとか第一波は耐え凌ぐけど第二波からは散々。そこから主人公や日本兵たちの逃げ惑う日々がはじまる。たぶん、この漫画の本番はここから。

 

・ここからは本当に悲惨。水と食べ物を得るために死に物狂いになる。仲間をおとりにし、見殺しにしてやっと少しの水と食べ物を手に入れる。

印象に残るのは、仲間が銃で撃たれてバタバタと死んでいくときに描かれる虹や星空。人間が戦争していようが平和に暮らしていようが、自然は変わらずにそこにある。虚しさで胸がきゅんとなる。

 

・「持久に徹すべし」残酷な作戦。頼れる島田少尉が「いっそのこと全員で敵陣に切り込めたら」とこぼすシーンがある。玉砕も自決も許されず、いつ来るか分からない反撃のチャンスのために生き続ける。…なんて言ったらいいかわからない。もう敵は飢えと渇きなんだよな。

物資が尽きようが、どれだけ兵が死のうが「あくまで持久に徹すべし」

 

・大佐が亡くなるシーンは堪えた。本部にいる兵ももう餓死一歩手前で周りにぶんぶんハエがたかっている。大佐が兵たちに玉砕を伝えたときは、兵たちも思わず「もう死んでもいいのか」とこぼしてしまう。

 

 

ここまでが1〜3巻。登場人物たちは3頭身のかわいいタッチで描かれているけど、内容は刺さる刺さる…。今日は遅いのでまた明日続きを書きます。