くみやすのブログ

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自分の性別が女性であることのリスク

 高校生のとき、帰りが遅くなったことがあった。休日だったので私服だった。帰り道、人気の少ない道に一台のワンボックスカーが停めてあった。私はその横を通り過ぎた。正直、横を通るのは怖かったけど、直前で歩く方向を変えるのも怖かった。なにか思われるんじゃないかと考えて。通り過ぎたあと、冷や汗が出できて、走って帰った。その途中で後ろの車の方からフェンスを蹴る、ガシャン!という音がした。私は振り返らなかった。その車が止まっていたのは、近所の高校の女子寮の前だった。

 

 今でも思い出すと肝が冷える。あのときの車はなんだったんだろう。もしかして、女子寮から出てきた高校生を車に連れ込んで、強姦するつもりだったのかも、なんて思う。もしかしたら、私が被害者になっていたかもしれない。だから、今でも一人で歩いているとき、停まっている車の近くを通るのは怖い。

 私は想像する。もし私が被害者だったら。家族や友達は親身になって慰めてくれると思う。でもきっと見ず知らずの人から「人気のない道を女性一人で歩いているからいけない」「ボックスカーのすぐ横を通り抜けるほうが悪い」「自衛が足りなかったから仕方ない」と言われるだろう。だって実際に、ネット上ではそんな言葉がたくさんある。

 

 また別の話だが、こんな記事を見かけた。自分は男性で、ビルのエレベーターに乗ったら女性がいた。エレベーターの中は二人きりにだった。同じビルの別会社の人だと知っていたので挨拶したが、相手は無表情に会釈をし、エレベーターが止まったとたんにさっと出て行った。

 男性は気分を悪くし、会社につくと同僚に愚痴をこぼした。男性社員は失礼な女性だ、と同調したが、女性社員からはその女性に共感する声が聞かれた。「きっとその女性は、密室に男性と二人きり、という状況が怖かったんだと思う。私も同じ状況だったら緊張する。たとえ相手と顔見知りであっても」

 男性はその話を聞いて驚いたそうだ。

 

 

 女性が犯罪に巻き込まれないために自衛しろ、という人は、あなた(男性)も警戒の対象に含まれると認識しているのかな、と思う。勝手な想像だけど、きっと警戒されたらされたで不機嫌になるんじゃないかな。

 もちろんほとんどの人は人が嫌がることはしないよう気をつけている。でもほんの一部の人に、多くの人が傷つけられている(性犯罪は再犯率が高いらしい)。

 本当に、なんとかならないかなぁ。

 

 

 この話では、身体が女性、身体と心が男性かつ恋愛対象が女性の場合で考えています。