私はのんびり人間だから、忙しすぎると頭がまわらなくなっていく。
はやくひとりになって、頭をからっぽにしたい、と思う。
私はずっと、効率的でテキパキこなす人に憧れている。でも、変身するように簡単に変わることはできないと、すでに知っている。
学生のころはつらかった。
自分のことが好きじゃなかった。
授業受けて、部活して、家に帰ったら予習復習。あっぷあっぷでこなせなかった。
テキパキ人間になれれば、もっと生活がラクになると思っていた。
大人になって、身近にテキパキ人間がいるようになると、その人はその人で悩んでいることが分かった。彼女は、言わなくてもいいことをつい、言ってしまうこと。私はやることやってるんだから、あなたもそうして、と、きつくあたってしまうことを悩んでいた。
私はのんびり人間だから、ひとにあれこれ言うことはあまりないし、「どうしたら聞き届けられるかな?」と考えながら話す。
そんな真反対の性格だから、この前彼女に言われたのだ。
「くみやすは、そこのところうまいよねー。うらやましいな」
私のことがうらやましい? 私はあなたに対して劣等感を抱いていたというのに。
結局、ないものねだり。隣の芝は青い。
このことで、私のほうが立場が上になったとか、そんなことはないけど、劣等感を持つのはやめにしようかなと思った。
みんなそれぞれ持ってるものは違う。
こんなもの持っていても仕方がない、と感じることだって、持ってないひとからすれば宝石のようなものかもしれない。
だから、「尊敬」は残して「劣等感」は捨ててしまおう。どんどん彼女を見習って、自分を補っていこう。
私ひとりでは立ち向かえない壁でも、彼女の考え方や行動をちょっと拝借すれば、道は開けるかもしれない。
そんなふうに考え始めると、純粋に素敵な友人に恵まれてよかったな、と思えるようになった。
そして、彼女にもそう思ってもらえるように、私なりの生き方を頑張ってみようと思った。
…願わくば、定期的に私のことを褒めて、元気を注入してほしい 笑